9月6日 月曜日 ハレ
今、私の会社の机に、消しゴムが一つ入っています。
もちろん、消しゴム以外にもいろいろ入っています。
何のことはない、これだけ聞けば、社会人なら普通のことです。
取り立てて記憶しておく必要もないことです。
ですが、このことが、私にとってはとても重要なことなのです。
さかのぼること、数年前、私が人事異動で今部署に異動してきた時のことです。
当時、私の移動先の机の中に消しゴムが3個あったのです。
もともと私が使っていた消しゴムが1個。
私が引き継ぎをした先輩が使っていた消しゴムがなぜか2個。
合計3個です。
消しゴムなんて、1個あれば十分なものです。
学生でもあるまいに、そう何度も何度も使うものでもありません。
なんで、3個もあるのよ…。
と、そうは言っても仕方がありません。
私は地道に消しゴムを使っていくことにしました。
日に日に、ほんの少しづつ減っていく消しゴムを見るのが、
私のつらい社会人生活のささやかな楽しみでもありました。
そんな牛歩のような日々を経て、本日!とうとう最後の1個にたどり着きました。
誰にも言うことはできませんが、私は心から嬉しく思いました。
卒業生を送り出す先生の心境でしょうか。
それでも、まだ1個の消しゴムが残っています。
最後に残った消しゴム、しっかりと使い切りたいと思います。